西口おなかのくどう内科

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新型コロナウイルス抗体検査について

当院でも、新型コロナウイルス抗体検査を受けられます。
現在、抗体検査は保険適用ではないため、自費診療(税込5500円)となります。結果が出るのに数日かかるため、検査後4日目以降に結果を受け取りに直接来院していただくことになりますが、郵送(別途500円)による受け取りも可能です。
採血した血液を外部の検査機関に依頼して、スイス・ロシュ社の抗体検査薬により判定していただきます。現在、多くのメーカーが参入して玉石混淆といわれている抗体検査ですが、ロシュ社の抗体検査薬は感度100%、特異度99.8%(Elecsys®︎ Anti-SARS-CoV-2添付文書より)と報告されており、信頼性が高いキットの1つと考えられます。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染すると、通常4−5日の潜伏期間を過ぎた後に症状が現れます(無症状の患者さんも多いのですが)。その数日後から体内で抗体が作られ始め、14日ほど経過すると成熟した抗体が増え、抗体価(抗体の強さや量)が高くなります。この段階で抗体検査をおこなうことが望ましいため、「現在、新型コロナウイルスに感染しているのかどうか」を調べる方法として、抗体検査は適切ではありません。「今は何も症状がないが、これまでに新型コロナウイルスに感染したことがあるのかどうか」を調べることが、抗体検査の役割となります。
したがって、抗体検査をお勧めしたい方は以下のようになります。

  • 過去(およそ2週間以上前まで)に、発熱や咳、倦怠感、味覚障害、下痢などの症状があった方
  • 症状はなかったが、自分が感染していたのか心配な方
  • 仕事や用事で県外に出かける機会の多い方
  • 不特定多数の人と接する機会の多い方

残念ながら、今回の抗体検査で調べた抗体が中和抗体であるのか、実は明らかになっておりません。そのため、抗体検査が陽性だったからといって、再感染しないという保証はありません。しかしながら、抗体検査によって新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の実際の広がりを把握する、といった疫学調査の意義はとても大きいと思われます。
なお、国内外で抗体検査の結果が報告されていますが、抗体陽性率は意外と低いです。日本では、最も感染者数が多かった東京都で0.1%(!)と厚労省からの報告があったばかりです。厳格な都市閉鎖を行わずに集団免疫獲得を目指したスウェーデンでも、抗体陽性率は7%前後であったと報道されています。

「いつか自分が感染するかもしれない、他人にうつすかもしれない」、という危機意識を持って、「密接しない、密集しない、密閉しない」という原則を守り、うがい手洗いやマスク着用の習慣などを続けていただきたいと思います。抗体検査がその様な意識を高めることに結びつけば、有意義かもしれません。

2020.06.17 : news
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